関節症と関節炎の違いは?

初診で来られた患者様の素朴な疑問でした。
私はいつも思うのですが、医学用語(特に傷病名)はとても素晴らしく命名されていまして、その傷病名を見ただけでおおよそどの様な症状かがわかるようになっているのです。
関節とは、簡単に言えば骨と骨のつなぎ目ということです。
炎とは、炎症が起こっていると言うことですので、関節炎と言うと、骨と骨のつなぎ目である関節に炎症症状(具体的には、・赤みを帯びている、・熱っぽくなっている、・脹れている、・痛みがある、・動かしづらいなどの症状、)があるということです。


症とは、痛みとかシビレとか不具合と言った症状があると言うことですので、関節症と言うと、関節に痛みとかシビレとかの不具合(炎症症状を含まない)
があると言うことです。
膝の関節に例えてみますと、変形性膝関節症というよく聞く傷病名があります。これは、膝の関節が変形して痛みとかシビレとかの不具合が生じているということです。
結核性膝関節炎という傷病名があります。これは我々もあまり普段お目にかかることの無い傷病名ですが、結核菌が原因で膝の関節が脹れて痛くなり動かしづらくなる病気と言うことです。(この関節炎はあまり赤みを帯びたり、熱っぽくなったりしない様ですが)
と言うように、その傷病名を見ると大体の様子が分かるようになっているんです。