チタン人工骨で腰痛解消

 京都大の藤林俊介助教らの研究チームは、慢性的な腰痛を取り除くため、丈夫で加工しやすいチタン製の人工骨を腰椎の間に埋め込む臨床試験で、1例目の手術に成功した。
 チームによると、京大病院で手術を受けた女性患者(54)は腰痛を全く感じなくなり、手術から2週間で退院したという。今後、さらに5例の手術を実施し、早期の臨床応用を目指す。
 人工骨は内部に直径0.1〜0.5ミリの穴がが互につながった状態で開いている。椎間板が衰えるなどして骨がずれ、神経を圧迫している部分に埋め込むと、人工骨の内部のすき間に骨細胞や血管が入り込んで骨を再生。周囲の骨とも結合して、腰椎が安定するという。
 腰痛を引き起こす腰椎変性疾患の治療には、骨盤の一部を採取して腰椎に移植する手法が主流だが、患者への負担が大きい。藤林助教は「人工骨を使えば手術時間が短縮でき、安全性も高められる」と話している。
2009年1月9日 フジサンケイビジネスアイより一部を紹介しました。

腰痛と坐骨神経痛

一昨日初診で来られた患者様ですが、昨年11月22日に急に左脚が痛くなり歩けなくなってしまったそうです。仕事を休んで病院でレントゲン検査とMRI検査をしたところ、腰椎椎間板ヘルニアなどの症状はなく、ただ腰椎に骨棘(こつきょく)形成といって腰の骨がとげのようにとがって来る症状が現れていると言われたそうです。その骨棘が原因で左脚に坐骨神経痛が出ているのだろうと言う事で、10日間仕事を休んで腰椎の牽引治療を行なったそうです。その後痛みを我慢しながら仕事をしていたそうですが、また痛みが徐々にひどくなって来た為当院来院されました。
骨棘ができるということはかなり腰に負担のかかる事をしていたと考えられるのですが、仕事が金型を作る仕事で、仕事暦50年になると聞いてうなずけました。左の脚はシビレではなく痛みが全体に強く力が入らないとの訴えです。駅の階段も脚がうまく上がらず、トイレなども座った姿勢から立つときは何かにつかまらないと立てないと言う状態だそうです。お話を聞いた後腰を見せてもらいましたが、腰の筋肉(広背筋)がカチカチに硬くなっていました。左脚の坐骨神経痛の原因は骨棘にもあるとは思いますが、カチカチになった腰の筋肉にもあるのではないかと容易 に想像がつきましたので、その筋肉をバイブレーションマッサージでよくほぐし、腰椎の牽引を2日行なったところ、痛みがだいぶ取れ、駅の階段も上がるのが楽になったそうです。このまま暫く治療を続けていけばもっと症状が取れていくと思います。「少し頑張って通院してみて下さい。」と本人には申し上げました。