チタン人工骨で腰痛解消

 京都大の藤林俊介助教らの研究チームは、慢性的な腰痛を取り除くため、丈夫で加工しやすいチタン製の人工骨を腰椎の間に埋め込む臨床試験で、1例目の手術に成功した。
 チームによると、京大病院で手術を受けた女性患者(54)は腰痛を全く感じなくなり、手術から2週間で退院したという。今後、さらに5例の手術を実施し、早期の臨床応用を目指す。
 人工骨は内部に直径0.1〜0.5ミリの穴がが互につながった状態で開いている。椎間板が衰えるなどして骨がずれ、神経を圧迫している部分に埋め込むと、人工骨の内部のすき間に骨細胞や血管が入り込んで骨を再生。周囲の骨とも結合して、腰椎が安定するという。
 腰痛を引き起こす腰椎変性疾患の治療には、骨盤の一部を採取して腰椎に移植する手法が主流だが、患者への負担が大きい。藤林助教は「人工骨を使えば手術時間が短縮でき、安全性も高められる」と話している。
2009年1月9日 フジサンケイビジネスアイより一部を紹介しました。